人を拾う話

人を拾う話01

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 少し残業をしてトラブル処理をするつもりが長引き、終電を逃してしまった。ついでに事務作業を済ませてから仮眠を取り、大場晃司は始発電車で帰宅した。
 午後の会議には出席しなければならないので、五時間休めればいいかと思いながら早朝の路地を歩く。
 自宅マンション前のゴミ集積所に、黒い大きなゴミが捨てられているのが遠目に見えた。誰かが粗大ゴミを申し込む手間を嫌って、丸めたカーペットでも出したのだろうと思いながら通りかかる。

 捨てられていたのは人だった。

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