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ジャケットを脱いでベッドに倒れ込み、何をやっているんだろうと自問する。素性も何もも知らない相手を、数時間とはいえ家に入れたのだ。午後の出勤時には追い出そうと決めて目をつむる。疲労感が襲ってきて、晃司はたちまち眠りに落ちていく。
設定していたスマホのアラームで目が覚めた。
晃司がリビングに出ると、男がソファーで寛いでいた。勝手に冷蔵庫から出したソーダをラッパ飲みしている。
「勝手に冷蔵庫を開けたんですか」
晃司が非難がましい口調で言うが、男は平然としている。
「そろそろ昼飯だけど、どうする。冷蔵庫に食いもんは無いみたいだったな」
「あなたには関係ないですよね。それより約束通り出ていってくださいよ」
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